竹炭は現在、私達のあらゆる生活の場で活用されております。
例に挙げると、農業の土壌改良用・飼料添加物用、住空間の調湿用・除湿用、水質浄化用、
飲料水のカルキ吸着・塩素除去用、炊飯用、お風呂用、脱臭・空気清浄用、
電磁波遮蔽用、化粧品用、住宅資材用、食品添加物用、工芸品用など様々な分野で使用されております。
その中で、特に知っておきたいのが竹炭は炭化温度でその用途が変わって来ることです。
例えば、農業の土壌改良用には500℃以下の比較的低い温度で炭化された竹炭が良いと言われております。
住宅の調湿・除湿には約800℃という高温で炭化した竹炭が良いと言われております。
これは、竹炭が炭化温度により性質を変えていくことを利用しているからです。
ですから、その用途に応じて竹炭のどの性質を利用するのかを見定める必要があります。
竹炭は全部同じ物かと言うとそうでは無いのです。
竹炭は炭化温度が高いほど硬度を増して行きます。
硬度を増すと同じ竹炭同士をぶつけ合った時にキーンと金属音の様な音がします。
そして、竹炭の炭化温度が約750℃以上になると通電性を帯びます。
電磁波遮蔽用(電磁波シールド用)にはこの炭化温度約750℃以上の竹炭が良いと言われております。
これは、竹炭の通電性と言った性質を利用しております。
また、竹炭は多孔質で空隙性が高く物質の吸着力が高いことで知られています。
竹炭は比表面積(1g当たりの表面積)が広いとよく言われておりますが、炭化温度約800℃で比表面積がMAXになるとも言われております。
この比表面積の広さで物質の吸着力が決まります。
水(水素)と言う物質を吸着することを利用した住空間の調湿・除湿用にはこの炭化温度800℃の竹炭が良いでしょう。
これは、竹炭の吸着性と言った性質を利用しております。
しかし、炭化温度800℃の竹炭が全ての物質の吸着に優れているかと言うと、そうでは無いのです。
例えば、アンモニアなどの物質は炭化温度800℃の竹炭より炭化温度400℃の竹炭の方が吸着します。
このことから、犬や猫などペットのトイレの脱臭用には炭化温度400℃の竹炭が向いていると考えられます。
また、農業において土壌改良用の竹炭も炭化温度500℃以下が良いと言われております。
それは炭化温度が500℃以上になると竹炭に含まれる灰ミネラル(珪素、カリウム)がガラス化して竹炭が硬くなり、竹炭の灰ミネラルが土壌に溶け出しにくいからです。
このことは、竹炭の軟らかさ(硬度)と言う性質を利用しています。
このように、竹炭の炭化温度により竹炭の性質が決まるため、用途別利用法も変わって来るのです。
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